ひざの病気についてひざの病気について

ひざは大腿骨(ふとももの骨)と脛骨(すねの骨)、さらに膝蓋骨(皿の骨)で構成されており、これらの骨が靭帯や筋肉、さらに関節のふくろなどの組織で覆われて、関節として働いています。大腿骨と脛骨の接触部分は軟骨で覆われ、その隙間には半月板があり、ひざへの負担を減らす役割をしています。

変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)

変形性膝関節症は加齢変化の一種で、男性よりも閉経後の女性に多く見られます。多くはひざの内側の軟骨が変性、摩耗し、徐々にO脚(内反変形とも言います)となり、ひざ関節の内側に痛みを訴える疾患です。進行すれば軟骨を支えている骨(軟骨下骨と言います)も削れて歩行の障害となります。

主な症状は座っている姿勢から立つ時や歩行時、階段昇降時(特に下り)の痛み、ひざ関節の腫れそして水症(関節に水がたまる現象)です。また、ひざの曲げ伸ばしが不自由になり、正座ができなくなります。立ち上がる時にひざに痛みを感じ始めたらこの病気の始まりの可能性もあります。

治療として、軽度であれば手術を行わない保存療法、関節鏡手術、軽中度であれば高位脛骨骨切り術(HTO)、重度であれば人工関節置換術が行われます。

症状の進み方症状の進み方

  • 「朝、ひざに違和感を覚える」

    朝、歩き始めの「ひざの違和感」が最も早く現れる症状です。この段階で、ひざの動作開始時に痛みがでることもありますが、この痛みは長続きせず、しばらく休むと痛みがなくなる場合がほとんどです。なお、症状の進行は、人によって様々で、朝の違和感だけがずっと続いて、痛みは発生しない人もいます。

  • 「症状が簡単には治らない」

    初期の症状をそのままにしておくと、徐々に進行して症状が悪化していきます。まず、痛みがはっきりと自覚できるようになり、ひざが完全に曲がりきらない、伸びきらなくなったり、正座やしゃがみこむ等の動作が苦痛になってきます。階段の上り下りもつらく、特に下りがつらくなります。また、炎症が起き、ひざの周辺が腫れたり、熱感をともなったり、むくんだりしてきます。さらに、ひざに水がたまってひざが張っているような重くだるい感じもでてきます。この段階では、だんだんO脚気味になっていき、ひざに力のかかる動きをすると骨同士が当ってゴリゴリする感じを受けることもあります。

  • 「痛みがひどくなり、日常生活に支障」

    この段階になると、日常生活に支障が起こるほどの痛みになります。そのため、仕事をする、買い物に行く、旅行に出かけるなどの社会活動が思うようにできなくなります。活動範囲が狭まり、外界からの刺激が少ない生活になり、徐々にストレスがたまり、体重が増加したりうつ状態に陥りやすくなることもあります。また、高齢者の中には、こうした生活(家の外に出ない)が続くと、痴呆の症状が現れてくる人もいます。この段階では、骨の変形が相当進んできますので、外見的にもO脚が目立つようになります。

  • 保存的治療保存的治療
  • 外科的治療外科的治療

大腿骨顆部骨壊死(だいたいこつかぶこつえし)大腿骨顆部骨壊死(だいたいこつかぶこつえし)

ひざ関節に接している大腿骨の先端(大腿骨顆部)の組織が壊死する病気です。エックス線やMRI(磁気共鳴画像)検査で壊死した部位を確認することができます。壊死した組織がつぶれてしまうと、骨の一部が陥没して、更に痛みが増します。この大腿骨顆部骨壊死の原因は、いまだ不明なのですが、中高年以降の女性に多く見られ、夜間や安静時に強い痛みを感じることがしばしばです。また、はじめは見逃されることが多いので注意を要します。

治療として、壊死部が小さければ手術を行わない保存療法もありますが、高位脛骨骨切り術(HTO)や人工膝関節置換術が適応となります。

症状の進み方症状の進み方

突然の痛みで発症することがあります。痛みは非常に強く、歩行時はもちろん、寝ていても持続性の痛みを感じることもあります。初期の激しい疼痛は、しだいに軽快して改善する例もありますが、高齢で骨が脆弱化(ぜいじゃくか)している例では骨の陥没破壊が進行し、関節軟骨も壊死するため関節症になります。進行とともにO脚変形が出現し、痛みは増強し、関節周辺がはれて関節水症(かんせつすいしょう)(ひざに水がたまること)が起こり、関節の動きが悪くなります。膝関節もまっすぐ伸びなくなり、最終的には末期の変形性関節症となります。
関節内に注射をしても痛みはあまり軽減しません。

  • 保存的治療保存的治療
  • 外科的治療外科的治療

監修:安田和則 先生(北海道大学大学院医学研究科 運動機能再建医学分野 教授)

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